Money Think

お金について、勉強した事、実践している事などざっくばらんに綴ります

-第6章- 権威〜営業における誠実な権威への服従〜

こんにちは。健四郎です。

 

最近は暖かい日があったり、寒い日があったりで中々服装が定まらない日が多いですね。

経済の方も、トランプ大統領が当選してから大きく円安ドル高に動き、株価も高値で取引されトランプラリーが続き、先行きが分からない日々が続いています。

 

インフラ投資、減税といった政策に期待感、先々のインフレ懸念が高まりこの米株高、ドル高と言われてますがどうなんでしょうか。

 

僕としては、別に今引き出す訳ではないのでプラスが続いてもそこまで嬉しくないものですが。

 

大統領選前、権威あるマスメディアはこのトランプ当選を全く予期出来ませんでした。

株もトランプ当選で安くなるとか言われてましたが、日経が当日一時的に下がった後はずっと高いままです。

 

そういう事を振り返ると、今回取り上げる”権威”の力に自動応答するのではなく、未来の相場は誰にも予測出来ないという事を思い出しコツコツと積み立てるしかないなぁと、感じる冬の夜です。

 

 

※影響力の武器[第3版]なぜ、人は動かされるのか-ロバート・B・チャルディーニ-を読み解いていきます。

※思いっきりネタバレします。

 

 

第6章 権威

この章では、有名なミルグラムの実験の話などを取り上げながら、"権威"からの服従圧力がどれだけ強いか、社会に根付いているかを解説しています。

 

ミルグラムの実験とは、大学の心理学研究室で記憶の実験をすると称して被験者を集め、集まった被験者にそれぞれ「教師役」と「学生役(実はサクラ)」の役割を当てて問題を出し、学生役の被験者が間違えたら教師役の被験者が罰として電気ショックを与えるというものです。

 

この電気ショックは間違える度に強くなり、最後は450ボルトもの強さになります。

途中学生役のサクラは、電気ショックが耐えられない程強いと、泣いたり喚いたりして教師役の人に実験を中止するよう求めます。

もちろん本当に電気は流れていませんが、教師役の被験者はそんな事は知りません。

 

しかし、教師役の被験者は研究者に命令される事により、不本意ながらも実験を続けていきます。

最終的には、参加者の2/3が最後の450ボルトのレバーまで引いたと言います。

 

このように、"権威"からの服従圧力というのは非常に強い影響力を持っています。

 

普段の日常生活においては、権威者は本当に優れた専門性、知識を持っている事が普通なので、そういった人たちに従う事は社会で生きる上で適応的な行動となります。

しかしながら、こと営業現場においてはこの力は非常に強力な武器となります。

 

 

営業現場での"権威"の活用

具体的には、著書に紹介してあったウェイターのヴィンセントの例が分かりやすい営業現場での活用例です。

 

ヴィンセントはそのレストランで最もチップを稼ぐ売れっ子ウェイターです。

 

ヴィンセントは団体客が来ると、まず注文をとる時にある工夫をします。

 

最初の注文を取る時に、お客さんがなにを選ぼうともヴィンセントは額にしわを寄せ、ペンを持つ手を注文票の上で止めたまま、肩越しに支配人を一瞥した後、そのテーブル全員に聞こえる様に「その料理なんですが、今夜はいつもほどお勧め出来ません。その代わりに○○や△△をお勧めします」と言います。

 

この時勧める料理は、最初にお客さんが選んだ料理よりも少し安い料理を2つほどお勧めします。

 

そして、「今夜は両方ともすごく美味しいんです」といいえ添えます。

 

それにより、ヴィンセントは素早くお客さんの信頼と権威者(専門家)としての評価を得る事になります。

 

なぜなら、お客さんから見れば、わざわざ最初に頼んだものより安くて美味しい料理の情報を教えてくれた、お店の利益よりお客様第一のウェイターだというイメージが出来上がるからです。

 

このイメージが出来た後は、「お客様のお食事に合う銘柄のワインをお勧めするか、あるいはこちらで選ばせていただいてよろしいでしょうか」とエスコートしていきます。

 

お客さんの中では既に、彼への信頼があるので安心してお勧めされるワインを注文していきます。

私たちの為にいい料理を選んでくれたという事で、返報性の心理も働き支払い時のチップを決める時に多めに払ってくれる様にもなります。

 

このように、ヴィンセントはほんの一工夫をする事で他のウェイターより多くのチップを稼ぎだしていました。

顧客にとって誠実であると分かった・認識した専門家(権威者)ほど、信頼出来る人はいないのです。

 

 

僕も、飛び込み営業時代よく似た様なトークを用いて顧客からの信頼を得る工夫をしていました。

 

例えば、顧客から製品のデメリット部分や懸念点を指摘された時に、本当はその場で譲歩出来る様な内容でも敢えてその場で会社や上司に電話をして交渉している姿を見せる様にしてました。

 

そうする事でわざわざ自分の為に会社、上司に掛け合ってくれている、この営業マンは味方だと信頼してもらえることができ、その後の交渉を有利に進められた経験が何度もあります。

 

飛び込み営業では特に顧客からの信頼度がよくてゼロ、ほとんどの場合はマイナスから始まるのでこの信頼感の醸成というのは非常に重要なポイントになるのでかなり意識してました。

 

ルート型の営業においても、顧客からの聴き取りの結果、あえて競合他社製品を勧めるなどして信頼構築を図ります。

 

営業ではこの信頼を得て初めて、その製品の専門家(権威者)として意見を傾聴してもらえるようになるのではないでしょうか。

 

 

ただ、小手先のパフォーマンスで終わってしまわないように注意は必要です。

 

 

顧客から権威の影響力で頼られるようになった後、必要な情報をすぐに出せるようにしておく。

ここで始めて、会社から教えてもらった製品勉強が活きてくるのではないかと思います。

 

 

営業マンを信頼して任せる顧客側のメリットとしては、製品に関する知識習得の時間を省く事、よりよい選択をするための意思決定を簡素化することが主なものではないでしょうか。

 

この期待を裏切ると、せっかく積み上げた信頼もゼロになってしまいます。

 

お互いに長期的によい関係を作る為にも、この影響力の武器による技ばかりに頼らない様に心がけていきたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

次回は第7章 希少性についてです!