Money Think

お金について、勉強した事、実践している事などざっくばらんに綴ります

-第5章- 好意 顧客を魅了する

こんにちは。健四郎です。

 

8章あるこの本の連載シリーズ"現役営業マンが「影響力の武器」を読んで学ぶ" もやっと後半戦に入りました。

そして徐々に多くの方が見てくれるようになりました。

いつもご覧いただいてありがとうございます!

何と言っても見てもらえるのがブログのモチベーションになりますね。

今後ともよろしくお願いします!

 

 

 

※影響力の武器[第3版]なぜ、人は動かされるのか-ロバート・B・チャルディーニ-を読み解いていきます。

※思いっきりネタバレします。

 

 

第5章 好意

「人は自分が好意を感じている知人に対してYESという傾向がある」というのは、誰もが肌感覚で理解しているルールではないでしょうか。

 

しかしながら、その影響力がどれだけ大きいか、どんな方法で使われているか明確に要素を理解している消費者は少ないのではないかと思います。

 

こと営業マンに関しても、あまりに当たり前とされることでかつ、客観的に好意というものを評価しにくいため意外と他のテクニックと比べて軽視されている感がありますが、好意をもたらす要素をより明確に理解することでクロージングのタイミングや精度を引き上げる事が可能だと考えています。

 

今回の記事ではこの好意の影響力の武器を営業現場でいつ、どのように活用しているかお話ししていきます。

 

本書では好意に影響する因子として主に4つ挙げられています。

 

1.その人の身体的魅力

2.類似性と称賛(お世辞)

3.快適な環境下での接触と利害一致状態での相互協力

4.連合(好感度の高いものと製品を結びつける)

 

営業現場では1と2に関しては最初のアプローチ段階、製品の説明に入る為に興味を惹く段階でよく使われます。

3と4に関してはある程度顧客と話が出来る段階でよく使用される手法です。

 

それぞれ有効な手法を有効なタイミングで使用してく事が、この影響力の武器を活用する上で重要になってきます。

 

アプローチ段階での好意の影響力

まずはアプローチ段階の場合。

この時はまだ営業と顧客との関係が出来ていない状況を想定しています。

飛び込み営業なのか、反響営業なのか、ルートの担当交代での挨拶なのか、業種によって様々かと思いますが、どんな場面であれ対面で一番重要なのは第一印象ではないでしょうか。

これは、どの会社に入っても社員研修で習うと思います。しかしながら、頭に入っていても全て実行出来ているか、意識しているかというと、疑問符がつくところではないでしょうか。

 

著書には一例として、1974年のカナダ連邦選挙を扱った研究が紹介されています。

これによると、外見が魅力的な候補者はそうでない候補者の2.5倍の票を獲得していました。さらに、調査対象となった有権者の73%は「投票するにあたって候補者の身体的魅力の影響など一切受けなかった」と断言していたそうです。

 

このように、身体的魅力のもつ影響力は非常に強いにも関わらず、ほとんどの人がそのバイアスに気づいていません。

つまり、営業目線で嫌な言い方をすれば、影響力の武器を無防備な顧客に思いっきりぶち込む事がが出来るということです。

 

 

僕は飛び込み営業時代、訪問する前に手鏡で自分の顔を確認して表情を準備してから飛び込みしてました。

なぜなら対面して3秒以内の印象で会話できるかどうかが分かれるからです。

 

その為に少しでも印象を良くする為に以下の様な事を意識していました。

 

・清潔感をもつ(爪を切る、自分にあった髪型をする、髭を剃る、眉毛を整えるなど)

・服はシンプルな組み合わせを意識して、特にサイズをジャストサイズで着る。

・背筋を伸ばしてあごを引き、堂々と立つ

・目を見て話を聴く

 

よく身だしなみ研修などで言われる様な事ですが、普段からずっとこれを続けるのは意識と努力が必要です。特に姿勢はトークの説得力にも関わってくるので意識しなくても背筋を伸ばした状態で居れる様にしたいですね。

 

 

 

さて、無事第一印象を突破出来ると次はいかに顧客の情報を集めながら自然に製品の話に移るか、というところかと思います。

その時に好意の影響力で使えるのが類似性と称賛です。

 

ご存知の通り、意見や性格、経歴、ライフスタイルなど、人は自分と似ている人を好みます。

 

著書には一例として郵送調査の依頼をする際に、調査者の名前を受取人の名前に似させる事で調査に応じる割合を増やしたという例が挙げられています。

(ロバート・グレアーは調査センター職員のボブ・グレガーから依頼されるといった具合に)

 

こんな一見しょうもないような類似性でも、効果があるのです。

 

顧客と会話が成立したら、顧客の性格にもよりますが出来るだけ雑談を振っていき類似性を探っていきます。

(出身地が同じ、趣味が同じなど)

会話から以外にも、相手の身につけているものや回りに置いてある物を観察していくと見つけられる事が多いでしょう。

 

そういった雑談の中で出てきたエピソードから褒められるところを探し、称賛(お世辞)を言っていきます。

 

例えばゴルフが趣味で、スコアが80という話が出たら、そこを褒めます。

ただ褒めるのでなく、自分はいつもスコアが120とか130でとか、コントラストが効くエピソードを持ち出して褒めます。

 

こういったことを2、3度繰り返していけば、一気に打ち解けた雰囲気で話す事が出来る様になるでしょう。

 

興味を惹く〜製品説明へ

厳しいアプローチ段階を超えて顧客と会話が成立しました。

類似点なども見つかりいつも会う度に気分よく話してくれています。相手の人間性も少しずつ見えてきました。

友好的な雰囲気で面談を続けているのならば、快適な環境かでの接触も出来ているのではないでしょうか。

 

そこで今までの雑談中に探った顧客のニーズを利用して、その課題を一緒に解決していきます。(利害一致状態での相互協力)

それが自社製品によって解決する様なことであればすぐに製品紹介に入ればいいでしょう。

全く別の事であっても、とりあえず悩みを聴いて、愚痴を聴いて共感し、一緒に解決しようと頭を悩ませましょう(ポーズだけでも)

 

そうする事でより顧客との距離が縮まり、巧くいけば全く製品説明をしていなくても顧客の方から製品について質問してきます。

 

顧客からすると、営業マン自体の好感度が高まる事により、連合の効果も働き自社製品が当初より魅力的に見えてきているからです。

 

そうなれば、後は流れにそってクロージングするだけです。

 

 

 

 

以上が好意の影響力を利用した営業の一例です。

今回はいつもと趣向を変えて営業の流れの中での影響力の武器の活用方法を記載してみました。

実際はさらにほかの影響力の武器も使いながら関係構築し、クロージングまで持っていきます。

 

最初に書いた様に、営業現場では出来ていて当たり前の事という認識ですが、意外に精度高く実践し続けるのは難しい事だと思います。

僕にとっても改めて基本を見直す章となりました。

 

 

次回は第6章 権威について学んでいきます。